◆はじめに
視力向上トレーニングは、バスケットボールやマラソンのようなスポーツの練習とよく似ています。短期間に思いっきりトレーニングしたからといって、すぐに効果が出るものでもなく、疲れている時に頑張ってもなかなか効率は上がりません。
トレーニングを継続すること、そしてしっかり休むことがとても重要です。
◆トレーニングは目の周辺の柔軟と水晶体の運動がメイン
視力が低下する要因として大きく、①水晶体の硬直、それに伴う②ピント調整能力の低下、そして③眼軸の伸びがあると考えられます。
ここでのトレーニングは、①②を改善し、さらに強化することで③をカバーしようというものになります。

◆基本は目の脱力
まず大切なのは、しっかり目を脱力することです。
(詳しい方法は「目の脱力」参照)
普段は意識することがほとんどないと思いますが、目の脱力をすると、意外と目に力が入っていることや、目の筋肉が強張っていることが分かります。
目の筋肉の強張りを取ることは大変ですが、少なくとも強張りを感じられるくらいまで目の脱力をする練習をすることが重要となります。
◆トレーニング中は「目をニュートラル」が重要
近視の方の多くは、近くのものを見すぎていて視力が落ちることが多いかと思います。そして、近くを見るということは、寄り目気味で見ていることになるため、寄り目がちになる癖がついているようです。
そこで、トレーニングする際にこの寄り目がちの癖を矯正するために「目をニュートラルにする」ことを意識することが重要となります。
実際にこれを意識する前はどんなトレーニングを継続しても10年以上ほとんど効果が出なかったですが、これを意識してからは、視力の向上を実感できるようになりました。
(詳しい方法は「目の脱力」参照)
◆トレーニングはイージーモードから始める
スポーツの練習では、どんなトレーニングもまずは基礎的かつ低難度のトレーニングをフォーム等に気を付けながら行い、出来てきたら高難度なトレーニングを行うと思います。
目のトレーニングも同様で、まずは簡単なトレーニングから始めましょう。
例えば遠くを見るトレーニングを行うにしても、全く見えない遠くを見ようとしてもピント調節機能は上手く使えないので、ピントが合いそうなギリギリ合わない程度の距離のものを見た方がいいです。
◆ピント調整機能を3つに分けて鍛える
漠然とピント調節機能と言われますが、以下の3つに分けてそれぞれを意識した方が効率がいいです。
・距離
・精度
・速度
まず距離はどのくらい遠くまで焦点を合わせられるかです。これははっきり見える必要はなく、焦点を合わせようとできるかという感じです。
精度はどれだけはっきりと見えるかなので、一般的に連想されているイメージと近いかと思います。
さらにいろいろな距離で焦点を合わせられるかということが加わります。
最後の速度は距離が変わったときにどれだけ早くピントを合わせられるかです。
このように考えると、まずは距離を伸ばして、次に精度、最後に速度といった順に鍛えると効率が良いかと思います。
◆休息も重要
目のトレーニングは見ているだけではあるため、ずっとやることも可能と言えば可能です。ただ、そうすると翌日は疲れで目がだるいだけでなく、頭痛になることもあります。
そんな状態でさらにトレーニングをしても、辛いだけでなく、トレーニングの成果もあまり感じられないことが多く、逆に疲れを感じるときはしっかり休むと、その翌日に目がすっきりするだけでなく、少し視力が向上したと感じることがあります。
ですので、トレーニングと同じくらい休息が重要となります。トレーニングのやりすぎにはご注意ください。